BCGオファーの弟子に解いてもらった「フェルミ推定検定」の解答を添削しつつ解説します
はじめに
今回は、レベル11~20まで解説いきます。
正直、ドキドキしています。どのくらいできんのよ、ロータスよ。
あ、本名だとBCGから怒られそうだから、イメージでロータスとしています。
まだ、僕もさらっとも彼の解答を見てないので、まさに皆さんと同じ感じで、見ながら、一喜一憂しながら、解説したいと思います。
Youtubeでも「RBにオファーもらった弟子と、うちの天才CTOに解いてもらいました」というのをやりますので、ぜひ「考えるエンジンちゃんねる」を登録しておいてください。
いや、僕のモチベーションのために、登録してほしいです。
「フェルミ推定検定」—問題
貴方は、何レベル?全部できたら、レベル99!
その名の通りですが、「どのくらい、フェルミ推定を理解しているか?」をクイズ形式で、というか、質問を99=レベル1から始まりレベル99まで出題していますので、ぜひ、考えてみてください。
※徐々に難しくなるようになっています。
「解答」を見てしまうと、分かった気になってしまい、 成長機会が薄れちゃうので、ぜひ、解説を読む前に、やってみてください。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル11~20
「フェルミ推定」の世界へようこそ。正直、コンサルタントだけでなく、全てのビジネスパーソンに身につけてほしいと思っています。ので、ぜひ、丁寧に勉強してみてください。 ということで、スタート。
私もドキドキしてます。どんな回答が繰り出されているのか。
楽しみながら、いきましょう。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル11
【問題】フェルミ推定レベル11
レベル10まで「市場規模」でしたので、もう一つ代表的な「店舗の売上」を出題します。
「六本木にある映画館の年間売上」の因数分解を「需要サイド」「供給サイド」両方でやってみてください。
【解答】フェルミ推定レベル11
需要サイド⇒[利用者数]×[単価] ⇒[人口]×[映画館利用率]×[利用回数]×[客単価]
供給サイド⇒[映画館数]×[1館あたり売上] ⇒[駅数]÷[1映画館がカバーする駅数]×[スクリーン数]×[席数]×[席埋まり率]×[上映回数]×[客単価]
【解説】フェルミ推定レベル11
なるほどねぇ。日本語って難しいですね。
僕は「六本木にある“とある”映画館の年間売上」を想定してましたが、ロータスは「六本木にある映画館の年間売上」と捉え、六本木にある映画館の数を数えて、それの売上を出そうとしてますね。ロータスに合わせて、添削してみると、ちょっと緩い点がありますよね。 供給サイドは違和感なしですが、需要サイド。
【ロータスの解答—再掲】
需要サイド⇒[利用者数]×[単価] ⇒[人口]×[映画館利用率]×[利用回数]×[客単価]
【タカマツ添削後—需要サイド】
[六本木にある映画館の年間売上] =[地理的に都内に映画館に通える人の数]×[映画を見る際に日比谷、新宿などを選ばず六本木を選ぶ割合]×[年間の映画館を利用する回数]×[1回当たりに使う金額]
という感じですよね。
これは余談ですが、今回の問題の[需要サイド]と[供給サイド]の両方を比べたとき、圧倒的に[供給サイド]のほうがスジがいい!と思っていたら、最高です。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル12
【問題】フェルミ推定レベル12
「ディズニーランドの年間売上」をフェルミ推定する場合、最初の因数分解は、
ディズニーランドの年間売上=[1日の来園者]×[一人当たりの客単価]×[営業日数]
となります。
では、[1日の来園者]を算出するためにもう一段、因数分解してみてください。
【解答】フェルミ推定レベル12
[1日のチケット枠数]×[購入された割合]
【解説】フェルミ推定レベル12
さて、さて、今回もロータスと僕はイメージしているものは違いました。いやぁ、ロータス、やってしまいましたね。
分解するというのは、「それにより、前に進む」イメージです。
でも、 1日の来園数 →[1日のチケット枠数]×[購入された割合] だと、まったく思考が進んでいないどころか、1つの難しい問題を2つの難しい問題に分けたとも言える。
で、どうすればいいか? そこは実は、お気づきと思いますが、ピンクボン『「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術』のA-11:「コロナ禍におけるディズニーランドの売上予測」に載せてあります。(ページ数で言えば、P.101ですね。)
1日の来園数をアトラクションの数、そのアトラクションのキャパシティから考えていくところです。復習してみてください。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル13
【問題】フェルミ推定レベル13
フェルミ推定は「算数」「計算」の世界だと思われ、苦手な人が多いと思いますが、殆どが四則演算レベルで難しいことはありません。
しかしながら、一つだけ難しいと思われる算数が入りますが、それは何でしょうか?
それが登場する時と合わせて「文系をバカにする感じで」お答えください。
【解答】フェルミ推定レベル13
数値をストックからフローに変換する際に、ストックの数値を耐用年数で割れば既存と新規を含んだフローの数値が出るが、文系にはやや難しいかもしれない。
【解説】フェルミ推定レベル13
ロータス、お前もか、また違うぜ。
もちろん、難しいのは、「値」を作る部分の、もちろん「田の字」
加重平均
ですよね。
黄色ボン、フェルミ推定の技術:4章-5 『ただの平均より「加重平均」』ですよね。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル14
【問題】フェルミ推定レベル14
みんな大好き「需要サイド」「供給サイド」というお言葉。では、問題です。
「マラソンを趣味にしている人の数は?」を「供給サイド」で解く場合の因数分解を笑いながら語ってください。
※ちなみに「マラソンを趣味にしている人の数は?」というお題を聞いて「ちょっとやりづらい」と思った方は、初級者は抜けています。
【解答】フェルミ推定レベル14
マラソンを趣味にすると、ただ走るだけでなくホノルルマラソンなど、大会を目標にするようになってくる。そのため、マラソン大会の参加者数をベースに、マラソンを趣味にしている人がどれだけ参加するかを考えると、以下のようになる。
[マラソン大会数]×[参加者数]÷[1人あたり参加回数]÷[マラソンを趣味にしている人の大会に参加する割合]
【解説】フェルミ推定レベル14
美しいですねぇ。そうなんです。そうなんです。
もうね、マラソンを趣味にする場合は、これでやるしかないって感じです。
これと同じく七面倒臭いのがタクシーの台数も難しいんですよね。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル15
【問題】フェルミ推定レベル15
フェルミ推定で算出する結果を説明する際に、まず、最初に「〇〇億円です」と言うべきだというのは感覚的に理解していると思います。その理由の一つは「論点=質問にちゃんと、まず答える」ですが、もう一つあります。それは何でしょうか?
【解答】フェルミ推定レベル15
面接官に、数値が大きいか?小さいか?それはなぜか?という論点を持ってその後の話を聞いてもらうため。
【解説】フェルミ推定レベル15
分かってますねー、ロータス。正解でございます。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル16
【問題】フェルミ推定レベル16
「とある銭湯の年間売上を推定しなさい」をまさに、「需要サイド」「供給サイド」それぞれの因数分解を15秒以内に浮かべて、早口で喋ってください。
【解答】フェルミ推定レベル16
需要サイド⇒[商圏人口]×[銭湯利用率]×[利用回数/週]×[1回あたり単価]×[営業週数]
供給サイド⇒[銭湯数]×[1施設あたりの売上]
⇒[駅数]÷[1駅あたりの銭湯数]×[ロッカー数]×[回転数]×[1人あたり単価]×[営業日数]
【解説】フェルミ推定レベル16
ロータス、たぶん、勘違いしてますね。「とある」なので、1店舗の銭湯の売上であって、まったくもってして、銭湯数をかける必要はありません。
需要サイド⇒[商圏人口]×[銭湯利用率]×[利用回数/週]×[1回あたり単価]×[営業週数]
供給サイド⇒[ロッカー数]×[回転数]×[1人あたり単価]×[営業日数]
でよいかと思われます。
この辺はピンクボン『「フェルミ推定」から始まる問題解決の技術』のA面の8「銭湯の市場規模」にあります。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル17
【問題】フェルミ推定レベル17
「とあるコンビニの年間売上を推定しなさい」という問いについて2つ以上の因数分解を考え、その優劣の理由も添えて、軽快に早口で答えてください。
【解答】フェルミ推定レベル17
①[商圏人口]×[コンビニ利用率]×[利用回数]×[コンビニ選択率]×[単価]
②[レジ数]×[回転数]×[営業時間]×[営業日数]
仮にオフィスビル内のコンビニなど利用率が高く、間断なくレジに人が並んでいる状態ならばレジの個数やいかに早く回転させられるかがボトルネックになるので②の因数分解が望ましい。他方で、郊外のコンビニなどある程度顧客が商圏内の人に限定されている場合は、商圏人口や商圏内の人がどれだけ利用するかがボトルネックになるので①の因数分解が望ましい
【解説】フェルミ推定レベル17
うーん。違う。合ってるけど、違うのよね、力点が。
これを読むとさ、②のほうが良いようにも見えてしまうんよね。
そうじゃなくて、
レジの数 と 売上高 は基本、相関しない。
レジの数を増やしても、その分、売上が増えるわけじゃない。
でも、そのお店がパンパンに忙しいときのみはレジの数ベースでもやれるが、 日中いつでもパンパンってのもないので、現実は使えず、マックスの売上値を推定するのに 使うべき。
という感じで理解しておいてください。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル18
【問題】フェルミ推定レベル18
フェルミ推定の肝、因数分解のやり方の中で、代表的なものを「〇〇方式」としています。
「商圏方式」「駅方式」「キャパシティ方式」「面積方式」「レジ方式」「バスケットボール」をさらっと説明してください。
【解答】フェルミ推定レベル18
「商圏方式」⇒コンビニなど商圏人口をベースにどれだけの人が利用するか計算する方式
「駅方式」⇒花屋など駅を基点に展開しているサービスを駅ごとに何個あるかで計算する方式
「キャパシティ方式」⇒ラーメン店などキャパシティに限界があるサービスをそのキャパシティがどれだけ埋まっているかで計算する方式
「面積方式」⇒自販機や宅配ピザなど特定のエリアをカバーする形で分布しているサービスについて、カバーする面積をベースに算出する方式
「レジ方式」⇒タピオカ屋など客足が途絶えず如何に人を素早く捌くかがボトルネックになっているサービスについて、レジの回転数をもとに算出する方式
「バスケットボール方式」⇒スポーツなどサークル等の団体ベースで活動する場合に、団体数と所属人数をベースにそこからの離脱率で算出する方式
【解説】フェルミ推定レベル18
最高です。さすが、ロータス。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル19
【問題】フェルミ推定レベル19
「表のセグメンテーション(例えば、世代)」ではなく、二軸で切る(あまり、好きな言い方ではないのですが2by2と呼ばれている)の「田の字のセグメンテーション」の方が100倍いいことを腹の底から理解した上で、田の字を考える際に考えるべきこと、頭に想像すべきことは何でしょうか?
〇を埋めなさい。
「〇〇〇〇」を想像し、その特徴から二軸をあぶりだす。
【解答】フェルミ推定レベル19
質の違い
【解説】フェルミ推定レベル19
ロータス、くー、違います。
ここは田の字の真骨頂というか、最も大事な部分なので、説明すると、田の字を作った際に、一番大事なマスは「右上」です。
右上にあてはまるセグメンテーションがどんな人か?をリアルに考えることが大事。
それを起点に、他の数字を決めていく。
「フェルミ推定検定」解答解説—レベル20
【問題】フェルミ推定レベル20
「ある会議室の中にサッカーボールが幾つ入るか?」について2つの因数分解を示した上で、そのそれぞれに込められた思いを説明してください。
【解答】フェルミ推定レベル20
([会議室の体積]-[机・椅子の体積])÷[サッカーボールの体積(4/3πr³)]
⇒サッカーボールが何個入るか精緻に計算して、計算力をアピールする因数分解
[会議室の体積]÷[サッカーボールの体積(縦×横×高さの立方体)]
⇒サッカーボールが入る個数を概算で素早く出す因数分解
【解説】フェルミ推定レベル20
ロータス、いいですね。黄色ボン『フェルミ推定の技術』の第1章の8に書いた、フェルミ推定はロマンの話ですよね。
みなさん、復習しておきましょ。
では、次の10問も見ていきますのでお楽しみに。
「フェルミ推定検定」問題はこちら
フェルミ推定関連書籍のご紹介
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フェルミ推定力が磨ける動画は今後も新規公開予定ですので理解をより深めるために、ぜひチャンネル登録を。
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